世界が終わる時の景色
「これなんかどう?」
「だめよ。日向のイメージじゃないわ」
「…そう?」
「そうよ」
こういうこだわりは、やっぱり女性だ。
選び始めれば真剣に、細かいデザインまで観察している。
「…あ…」
「ん?」
小さな感嘆の声を上げた志乃を見遣ると、
ひとつのリングを指に嵌めていて。
「これがいいわ!」
「それ?」
シルバーリングのコーナーにあった、
シンプルなデザインリング。
ひとつの小さな輝く石は、
値段的にキューピックジルコニアだろうか。