世界が終わる時の景色



「あのね、対になっててね、これが男性用」


志乃から受け取ったリングを、指に嵌める。

不思議なことに、嵌めた瞬間「これだ」と思えた。


「…いいね。これにしよう」


ペアリングを嵌めた左手同士を絡めて、微笑んだ。


「でも、どうして急にペアリングなの?」

「んー…?」

「デートの誘いも急だったし」

「…約束、したから」





―「またいつか、一緒に」



「…そう、だったわね」



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