世界が終わる時の景色



「ねぇ、海、入れるかしら?」

「…死にたいならいいと思う。ひとりで」

「水着持ってきたの…」


拗ねたように唇を尖らせつつも、
しょんぼりと肩を落とす志乃。


「…地下に温水プールあるから、それでいい?」

「もちろん!」

「でも僕、水着無いからね」

「持ってきたわ!」


用意周到な志乃。

口には出さずとも、相当はしゃいでいるようで。

普段とあまり変化はないけれど、
きらきらと輝く目がそう教えてくれた。



―・・・



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