世界が終わる時の景色
「…いつも、私達が何かする時は、
月が綺麗な夜だったわね」
「初めてした日もそうだったね」
「あら、覚えてたの?」
「もちろん。僕にとっても衝撃的な日だったし」
「ふふっ」
少しの沈黙は、波音で埋まる。
「朝になる前に…
月が照らしてくれているうちに、死にたいわね」
「…そうだね」
「どうやって殺してくれる?」
「…志乃が血で汚れるのは嫌だな。
何より、体に傷をつけたくない」