世界が終わる時の景色



「絞殺とか?」

「志乃が苦しむのを見るのか…」

「でも、日向の理屈だと銃も刃物も使えないわよ?

薬は確実じゃないから期待出来ないもの」

「……」

「……」


埒が明かないと、ふたりで苦笑いを零す。


「私は血で汚して欲しいわ」


ベッドに向かった志乃は、短刀のような物を握る。

月明かりに輝くそれは、日向に向かい。


「これで、刺して。私の心臓」

「……」

「殺してあげるわ。だから、殺して」


受け取ったそれ。

志乃の手にも同じ物が握られている。



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