世界が終わる時の景色
「…とんでもありません」
「嘘よ!私見たもの。
裏庭で告白されてたわよね?」
「…!」
しまった、と思った。
裏庭は、彼女の教室から見える場所だった。
「そうなのか?」
「…お断りしましたよ」
「どうしてだ?好みじゃなかったのか?」
じっと志乃を見つめて、
「…僕は…」
彼女と目が合う。
「…志乃お嬢様のお世話で忙しいですから。
恋愛なんかして彼女の相手をする余裕なんてありませんよ」
「なっ!」
「ははは!志乃、お前も早く日向を安心させてやらないとな」
「失礼にも程があるわ!」
「でしたら、明日の数学の小テストの勉強は済まされましたか?」