世界が終わる時の景色
好きなのに
まったく、大胆な彼女の行動のせいでいつかばれそうで怖い。
そう思いながらも、出来立てのミルクが多めのココアを持って、
行き慣れた彼女の部屋へと踏み入る。
「志乃お嬢さ…っ、」
刹那、飛び付いてきたのは彼女だった。
「…危ないだろ?ココア持ってるんだから」
「ふふ、ごめんなさい」
「それに、ちゃんと部屋に入るまで待たないと。
誰かに見られたら困る」
「ええ、そうね」
軽く叱るように言ってみるけれど、
反省の様子が無い彼女。
「で、勉強は?」
「済ませたわ。きっと満点ね」
彼女は元々頭がいい。
明日がテストだと知らず、
いきなり受けても満点に近い点数を取るだろう。