世界が終わる時の景色
たとえ狂っていようとも



告白されるのは、いつもの事だ。


「付き合って欲しいの」

「…気持ちは嬉しいけど、」


もはや定型句のようになってしまった言葉。

だけどそれを続ける前に、遮られた。


「断ったら、ばらすわ」

「…?」

「貴方と、南十字 志乃の関係」

「…ただの執事と令嬢です」

「ええ、そうね。一般的には。知らない人も多いみたいだけど」

「確かに、恋人だと思ってる方もいらっしゃいますが……」


今日告白してきたのは、瀬崎グループの令嬢。

わがままで有名な瀬崎 紫音(せざき しおん)だった。



< 53 / 207 >

この作品をシェア

pagetop