世界が終わる時の景色



情事は、彼女の気が向いた時。

それは主に朝か授業中。

昼休みと放課後は、日向が断固拒否したからだ。

連絡先を教えるのも嫌だと言うと、
教室まで迎えに来るという。

目立つけれど、個人情報を握られるよりはマシだという、
日向の判断だった。


「ひなっ…ん、」

「呼ぶな」


名前を呼ぼうとした彼女の口を手で塞いだ。

彼女を抱くのはもう、何回目だろうか。

約一か月程、この関係が続いている。


「はぁ…、今日も善かった」

「あっそ」



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