世界が終わる時の景色



余韻に浸る彼女を置いて、さっさと服の乱れを直す。


「そんなに南十字 志乃が大切なの?」

「……」

「いくら執事でも、忠誠心だけじゃここまで出来ないわよね」

「何が言いたいんだ」

「好きなんでしょう?」


核心をついた言葉に、歩き出そうとした足が止まった。


「幼なじみだって、噂で聞いた事があるの」

「…だったら何」

「…ふふっ、そう。そうなの」


意味深に微笑んだ彼女。



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