世界が終わる時の景色



「…志乃は手を汚しちゃだめだよ」

「そう言うと思ってた。…だから、私は手を下してない」


胸元。


「今頃、あの女も消えたわね」


腰。


「日向は、私だけのものなの」


甘える猫のように、日向の胸に擦り寄る志乃。


「ねぇ、日向」


顔を上げた志乃の指先は、再び日向の頬を滑る。


「邪魔者はみんな、消せばいいのよ」


その笑みは、狂気を孕んで。



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