世界が終わる時の景色



「こんな朝から公共の場で、大声で告白なんて。私の方が恥ずかしいと思わなくて?」

「あ…の、えっと…」

「お気持ちだけ感謝致しますわ。御機嫌よう」


清楚な真白のスカートを翻し、
ヒールローファーを鳴らして踵を返した彼女。


「…志乃お嬢様のご無礼、心より謝罪申し上げます。

御崎(みさき)様、今後とも宜しくお願い致します」


呆然とする彼に礼をして、
すたすたと歩いていってしまう彼女の背中を追った。


「志乃!」

「……」

…完全に不機嫌、か。



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