気まぐれ作品置き場



「今日は雨が降りそうですねえ……あれ、能九さん。なにをそんなに警戒しているんですか?」


「なっ、別に警戒なんざしてねえよっ!つうかさっさと茶ぁ出せ茶をようっ」


「しょうがない人ですね……」



はぁと溜め息をついて立ち上がる。

ソファーの上ではお馴染みの能九さんが雑誌に載っている六葉のプロフィールを読んでいた。



「うっは!おうおう、六葉ちゃんよう。よくこんな嘘のプロフィールでっち上げたなあ、おいっ!」


「……六葉は嘘をつきませんよ」


「いーやっ、つくねあの女も。つうかあー?女って生き物は大概嘘つきなんだよわーかーるー?

あ、わっかんねえか。だってテメェは心底あの女にベタ惚れてるもんなあー?そりゃ信じたくないわけだ。

あいつはタチのわりい嘘つきだよ。テメェが思ってるよりよっぽどなあ。げひゃひゃ!ほんっと、テメェは可哀想な生き物だよ!

ま、俺にとっちゃテメェがあの女に騙されて絶望のドン底に突き落とされても知んねえけどー?

もっと言やあテメェがどうなろうが、俺には関係ないんだよっ、ひゃひゃっ!かわいそーな【暦逢】(れきあ)ーっ」

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