気まぐれ作品置き場
つうかさりげに毒を吐くんじゃねえよっと舌打ちする能九さん。

それを笑ってしまう僕は、ああもうほんとに他人事に捉えてしまっている。


あの出来事を、軽く笑って成せる程に。



「ところで能九さん、先程から窓の外に人影が見えるんですが……」


「あー?ンなもん無視だ、無視ムシ。関わってどうするよ?今のテメェがどうこう出来るわけじゃねえだろ」


「いえ、そういう類のモノが外にいるんじゃなくて………。それより今の言葉は僕を心配してのものですか?」


「……もういい、もうテメェの戯言に付き合ってらんねえ」


「つまり肯定、と」


「だからどうしてそーなった?!」



ソファーの上で寝転ぶ能九さんにくすりと笑みを返す。

いやしかし、外の人影は笑い事ではない。しかもその人は白装束を来ている。

まさか、" また "幽霊がついてきたんだろうか?


一瞬そう思ったが、どうやら違うみたいだ。だって、どこかで見たことがあるから。

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