気まぐれ作品置き場
妖怪・九千坊(くせんぼう)は九州河童の長。緑の長髪の上には皿がのっている。
次から次へと。妖怪たちが出てくるが、もう慣れた。
いつもの面子、いつものやり取り……いや、まだあいつが来てねえか。
そう思ったが、すぐに奴は出てきた。
「ぎゃっははははは!相変わらずかったいねえ、九千坊はあっ!」
「黙れっ、火前坊(かぜんぼう)!君主に仕えることの何が悪いッ!」
「悪くはねえよー? たあださー、蜘蛛は俺らにそんな関係望んでないんだって。なあー?」
「無礼者!蜘蛛さまを呼び捨てするな!……蜘蛛さまっ、小僧の言うことなど気にしなさず」
妖怪・火前坊(かぜんぼう)。身に火と煙を纏う者。
絵巻物では老いぼれ姿で描かれることが多いが、こいつはまだ若い。
燃えるような赤髪を高い位置で一括りにしている火前坊(かぜんぼう)は、相変わらずのお調子者だ。