気まぐれ作品置き場
でもアタシが苦しそうにしていれば、君はいつも傍にいるよね。いつの間にかだけど、必ずいる。


アタシの愛しい人。



「やめろ」


「……やほ、ユウ。どうしよう。殺人衝動が止まんないんだけど」


「落ち着け。まずはナイフを持ってる手を離せ」



言われた通りに離して、用なしの右手はぷらんと横に垂れ下がる。

左腕にはナイフ。


アタシの血を吸って、まるで生きているのかのうように、ぎらぎらと輝いては主張するんだ。


『殺し足りない』、と。


アタシとおんなじ。

アタシだって我慢してるさ。

< 29 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop