気まぐれ作品置き場

ツンとすましたその顔は、見るものを惑わさせるほど綺麗なものであった。



「レディ、失礼だが君のようなみすぼらしい格好をした者に、そんな大金あるとは思えないな」



鼻で笑う紳士につられ、最初は見惚れていた貴族も次々に笑い出す。

しかしそれも一瞬のこと。



「 "俺" が『レディ』……?

~~ッ、ふざけんな!俺は男だッ、この変態似非紳士野郎がッ!!」



言うと同時にゴキリと鈍い音。

頬を蹴られた紳士は、なんとも無様に地面へと打ち付けられた。

そうして奴隷の鎖は離される。


周りのざわつきは治まらない。

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