気まぐれ作品置き場
「じゃ、こいつは俺たちが連れていくからな」
そう言って奴隷の手を掴み歩いていくユウ。その後ろ姿には似非紳士の言葉が浴びせられる。
「くっ……そんな、たかが奴隷如きに大金を出すなど、やはり君はこじんまりとした貴族の下劣なのだろうな!はっ、ははっ!そんなもの、すぐに捨てるくせにっ………」
「だまれ」
「?!」
ぴしゃりと言い放たれた言葉に、思わず似非紳士だけでなく周りの貴族も動作を止める。
なぜなら、いかにも辛辣な【ユウ】ではなく、ふざけた調子者の【ミチル】が放ったのだから。