気まぐれ作品置き場



ザアザア鳴りやまない雨音。


誰もいない歩道のすぐ、路地裏から雨水に流され赤い液体が染み出ていた。


何かと思い辿って見れば……おやびっくり。見知った顔がある。



「こんなとこで何してるんですか、能九(のうく)さん。腸なんかだらしなく出しちゃって。格好悪いですよ」


「………。」



あれ、いつもの悪口(あっこう)がない。

腹部をえぐられて内臓がごっそり飛び出てかなり悲惨。酷いものでは内臓が千切れ……いや、喰われているのか。



「大量の鼠にでも襲われたんですか。滑稽ですね、…あなたらしくない」


「………。」



何も、返されない。


ああそうか、もしかして。

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