気まぐれ作品置き場
もう一度蹴りをいれようかと見えない足をあげれば、唐突に。



『帰る場所、ないない』

『能九の居場所はここ』

『ここが、きみの家』


「はあ?ざっけんな!俺の家は……」



そこまで言い、はたと気づく。


俺の家?んなもんあったか?………俺は今まで、どこでどう過ごしてきたんだ?

苦悩する俺をさらに蝕もうと伸びる白い触手。



『おかえり、能九』

『おかえり、おかえり』

『また、いっしょだね』

『ずっと、いっしょだよ』

『おかえり、おかえり』

『おかえり、能九』

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