ありがとう。あなたのことは忘れません。
俺の本音だった。
さわんな。
他人に触られたくねぇ。
みんなもわかるだろ?
電車でいきなり、しらねぇおっさんに
触られたら気持ち悪りぃだろ?
同じだよ。
父親。形だけ。名前だけ。
「文くん。自分のお父さんにそんなひどいこと言って…。私はそんな子に育てた覚えはないわ…。」
「あぁーそうかよ!だったらなんだよ!こんなやつ、父親でもねぇ、赤の他人だ!」
パシンッ!!
「いいかげんにしなさい!文也!父親よ!あんたが5歳の時からちゃんと育ててくれた立派なお父さんじゃない!!」
「じゃぁ、女の子は?」
「えっ?何?」
「俺と同い年の女の子はって聞いてんだよ!血のつながってる実の娘より血の繋がってない他人の息子を選んだのかよ…」
「いいんだ。あの子は強い子だから…俺が心配することじゃない。文也は自分のことをかんがえなさい。」
「その口調イライラする!俺、出てくわ!一緒に住んでたら一生俺に罪悪感が残る。」
「だからって、なくなるものではないでしょ?」
「謝罪をするんだ。1人になってその子に届くように。」
親の話を聞かず、すぐに荷物をまとめ、
迷いもせず、俺は出て行った。