田中猿男の任務
第三次世界大戦を、辛くも勝ち抜いた日本だが、国は疲弊しきっていた。
平成に、行われたアベノミックスジュース政策が失敗した辺りからやばい雰囲気だったと俺の祖父は言うが、俺にとってはどうでも良かった。
心身共に鍛え上げれていたし筋肉まで笑いに漬け込んだような生活が好きだった。
国の政策として甘い恋愛小説や映画、音楽全て駄目なのも分かり易くて良いと思っている。
甘い事言ってんじゃないよ!!と笑いながら叫ぶのが我が課の朝の挨拶だった。
俺は、ブーツの紐を笑いながら絞めると部屋を出た。
小脇にヘルメットを抱えて腰には日本刀を差していた。
ヘルメットにも、日本刀にも、コメディ庁の役人全ての備品には、丸印の中に片仮名で、コと入っている。
制服は明るい黄色だったが、当然胸に丸コのマークが入っていた。
人々は、俺達をマルコの連中とか言った。
甘い恋愛小説好きには、俺達の笑顔は恐怖の笑顔でもあったのだが、気にしてなかった。