蒼宮の都
「わぁ、新しい服だ」

「サンダルもある」

アニースとアリーは広げた服を手に取り、宝物のように胸に抱く。

「大事に着てね」

「うん」

何時もラサやイサークのお下がりを、丈や巾を詰めて着ている二人は、身体にピッタリ合う服が嬉しいらしい。


昨夜の残りで簡単に昼食をとり、ラサは仕事着に着替えた。

「何処か行くの?」

「仕事?」

「うん」

本当は違うのだが、ラサは敢えて頷くだけにする。

「夕方にはイサークが帰って来るはずだから、それまでいい子で待っててね」

「わかったわ」

「いってらっしゃい」

しっかりと頷くアニースとしょんぼりと手を振るアリーに笑って、ラサは旧市街の家を出た。


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