蒼宮の都
(あの……人……?)
抱き合う二人を遠目に見つつ、ラサは目を丸くする。
ラサより少し歳上に見える青年は、癖のない黒髪を項で束ね、黎明と同じ異国の衣を身に付けている。
少々気弱そうにも見える顔立ちは、ラサが勝手に想像していた「姫が恋する従者」のイメージとはかけ離れていた。
(何と言うか……平凡?)
よく見ればそれなりに整った顔立ちなのだが、人混みに紛れれば埋もれてしまいそうに印象が薄い。
ホッとしたように表情を緩めた青年は、黎明が顔を上げると口元を引き締め、目線を合わせた。
『一体何処にいらしたのですかっ? 貴女が勝手にいなくなってしまって、皆がどんなに心配したか……』
『ごめんなさい……』
しゅんと項垂れる黎明に、藍深は深く息を吐いた。
『何処も怪我などしていませんか?』
『大丈夫よ、彼女に助けてもらったから』
そう言って、黎明はラサを指差した。
抱き合う二人を遠目に見つつ、ラサは目を丸くする。
ラサより少し歳上に見える青年は、癖のない黒髪を項で束ね、黎明と同じ異国の衣を身に付けている。
少々気弱そうにも見える顔立ちは、ラサが勝手に想像していた「姫が恋する従者」のイメージとはかけ離れていた。
(何と言うか……平凡?)
よく見ればそれなりに整った顔立ちなのだが、人混みに紛れれば埋もれてしまいそうに印象が薄い。
ホッとしたように表情を緩めた青年は、黎明が顔を上げると口元を引き締め、目線を合わせた。
『一体何処にいらしたのですかっ? 貴女が勝手にいなくなってしまって、皆がどんなに心配したか……』
『ごめんなさい……』
しゅんと項垂れる黎明に、藍深は深く息を吐いた。
『何処も怪我などしていませんか?』
『大丈夫よ、彼女に助けてもらったから』
そう言って、黎明はラサを指差した。