SWEET MELODY
あたしの夢は歌手。
両親も昔は、売れっ子アイドルだった...らしい。
でも神様は意地悪で..
あたしの歌声は、ある意味素晴らしいんだ☆
「違う!そこ間違えるの2回目!
何やってんだよ!」
また部屋中に葵の声がとびかう。
「・・ごめん」
あたしだって精一杯やってんのにさっ・・
・・できないんだもん。
「ちょっと疲れてるんじゃねえ?
今日は終わりにすっかー」
背伸びをしながら葵が言った。
ちょ・・待ってよ。
これじゃあたし・・。
「待って!
もうちょっと・・・」
「あ?」
「もうちょっとだけ、教えて・・」
葵がキョトンとした顔してる。
こんなことあたしが言うなんて
思ってなかったんだろーなっ。
「教えて下さい・・・だろ?」
「は!?」
「だーかーら!教えて下さい!!
ほれ、言ってみろっ」
「お・・しえて下さい・・」
ムカツクーッ。
何なの何なの。
これだから葵は嫌だっ。
「よくできました♪
じゃあご褒美に!」
ほっぺに冷えた缶ジュースが
あたった。
「ひゃっ」
「それ飲んだら始めるぞー」
本当に何なのコイツ。
時々さりげなく優しいんだもん。
・・・ドキドキするじゃんか。