涙のあとの笑顔
花壇に咲いている花や薔薇園の花も綺麗だけど、こうして湖の上で踊るように咲いている花も見ていて癒される。
「すごい、こういう魔法が使えるなんて!」
「楽しかったか?」
「はい!ありがとうございます!」
アンディさんは無表情だったが、少しだけ顔を緩めて小さく笑った。
「退屈が紛れたし、戻るか」
湖を離れようとしたとき、黒い影が前を通った。
「魔獣!」
複数の魔獣が現れた。鋭い目つきをしていて、今にも飛び込んでこようとしていた。
「ここでは見かけないのに」
すぐに手の上で炎をつくり、敵に投げつけた。敵はすぐに炎に包まれて消えた。
「もういないな」
「はい」
「行くぞ」
城へ戻ると、イーディがこちらに向かって歩いてきた。
「部屋にいなかったからどこへ行ったのかと心配しましたよ。フローラ様」
部屋の中、ケヴィンを合わせて三人あるいは私と二人きり以外ではこうして丁寧な話し方をして、うまく使い分けている。
話し方にギャップがあり、笑みを零した。
「どうかしましたか?」
「いえ」
「お久しぶりですね」
「イーディ、元気そうだな」
「はい、おかげさまで」
「こいつを連れ出していたのは俺だ。もう行く」
イーディはとても驚いている。
そんなに珍しいことなのかな?
「そうだったのですか」
「またな」
踵を返して去って行ってしまった。
その夜、仕事から戻ってきたケヴィンとイーディに今日の出来事について話した。
「本当に?彼がそんなことを?」
「意外なことなの?」
「彼は自分から人に近づかないからね。近づいても短い会話で終わる」
あまりお喋りが得意そうな感じではなかった。
だけど意外とそうでもないのかなと思った。
「素敵だった」
「何が?」
「アンディさんの魔法。とても綺麗だったから」
暇潰しに見せてくれたとはいえ、自分ではできない魔法だったから少し羨ましい。
ただならぬオーラを感じて見てみると、ケヴィンが私を睨みつけていた。
こんな表情はあまり見たことがない。
「な、何?」
何か失礼なことを言いましたか?
「仕事で疲れて帰ってきて、フローラが話があるって言うから何かと思えば、その男のことを話してばっかり」
「駄目だった?」
「何、もしかして俺に妬いてほしくて話しているの?」
「違う!」
「すごい、こういう魔法が使えるなんて!」
「楽しかったか?」
「はい!ありがとうございます!」
アンディさんは無表情だったが、少しだけ顔を緩めて小さく笑った。
「退屈が紛れたし、戻るか」
湖を離れようとしたとき、黒い影が前を通った。
「魔獣!」
複数の魔獣が現れた。鋭い目つきをしていて、今にも飛び込んでこようとしていた。
「ここでは見かけないのに」
すぐに手の上で炎をつくり、敵に投げつけた。敵はすぐに炎に包まれて消えた。
「もういないな」
「はい」
「行くぞ」
城へ戻ると、イーディがこちらに向かって歩いてきた。
「部屋にいなかったからどこへ行ったのかと心配しましたよ。フローラ様」
部屋の中、ケヴィンを合わせて三人あるいは私と二人きり以外ではこうして丁寧な話し方をして、うまく使い分けている。
話し方にギャップがあり、笑みを零した。
「どうかしましたか?」
「いえ」
「お久しぶりですね」
「イーディ、元気そうだな」
「はい、おかげさまで」
「こいつを連れ出していたのは俺だ。もう行く」
イーディはとても驚いている。
そんなに珍しいことなのかな?
「そうだったのですか」
「またな」
踵を返して去って行ってしまった。
その夜、仕事から戻ってきたケヴィンとイーディに今日の出来事について話した。
「本当に?彼がそんなことを?」
「意外なことなの?」
「彼は自分から人に近づかないからね。近づいても短い会話で終わる」
あまりお喋りが得意そうな感じではなかった。
だけど意外とそうでもないのかなと思った。
「素敵だった」
「何が?」
「アンディさんの魔法。とても綺麗だったから」
暇潰しに見せてくれたとはいえ、自分ではできない魔法だったから少し羨ましい。
ただならぬオーラを感じて見てみると、ケヴィンが私を睨みつけていた。
こんな表情はあまり見たことがない。
「な、何?」
何か失礼なことを言いましたか?
「仕事で疲れて帰ってきて、フローラが話があるって言うから何かと思えば、その男のことを話してばっかり」
「駄目だった?」
「何、もしかして俺に妬いてほしくて話しているの?」
「違う!」