涙のあとの笑顔
ケヴィンの剣が重く感じる。強く握り締めないと剣を落としてしまいそうになる。
金属音がひたすら鳴り響いている。剣と剣のぶつかりあいが続く。
剣を振るおうとした刹那、首筋に冷たい感触が走った。少しでも前に出ていれば、大量に出血しているところだった。
「危なかったね」
「くっ!」
始めてからどれくらい時間が経ったのかしらないけど、呼吸が乱れて、視界がわずかにぼやけている。
「何を考えているの?」
はっとして顔を上げると、ケヴィンは無表情になっていた。
「わからない?」
「質問しているのは俺だよ」
「私は戦う前もどうしてケヴィンがこんなことをするのかなって、ずっと考えていた」
どうしても理解ができない。彼の知らない部分を知っても、私にはどうすることもできない。
「勝ち目なんてゼロに近い。だけど諦めたくない」
「フローラが勝ったらちゃんと理由を教えてあげる」
「本当に?」
「もちろん」
「でもね・・・・・・」
すっと息を吸い込んで、まっすぐケヴィンを見た。
「教えてもらっても、許さないから!」
強い風の魔法をケヴィンにぶつけた。少しよろめいて体勢をすぐに立て直そうとしたときに一気に距離を縮めた。
戸惑いを捨て、剣を振りかざした。
だけど目の前にいるケヴィンは血を流していなかった。凝視していると、彼は灰のように消えた。
「まさか・・・・・・」
「残念だったね」
背後でケヴィンの声がして、振り向いたときに強い痛みが走った。
「うっ!」
「あれはただの幻」
足元が崩れ、膝立ちの状態のまま、腹部を押さえていた。
「もう終わりのようだね」
「ケヴィン、私は・・・・・・」
声が思うように出せない。
「私はこんなことをしてほしくなかった!今までずっと私のことを助けてくれたのに、信じていたのに、私はこんなに!」
ケヴィンが大好きなのに!
もっと言いたいことはたくさんある。山のようにあるけど、今はそれどころではない。
この怒りを剣に込めて、ケヴィンに向かった。交差する音が鳴った。
「あ!」
私の剣は折れてしまったため、もう使うことができなくなった。
首には私を追いつめるようにケヴィンが剣を触れるか触れないかという程度に持ってきている。
「フローラ、君の負けだよ」
ケヴィンが小声で呪文を唱えた後、私は全身の力が抜け落ちて涙を流しながら目を閉じた。
金属音がひたすら鳴り響いている。剣と剣のぶつかりあいが続く。
剣を振るおうとした刹那、首筋に冷たい感触が走った。少しでも前に出ていれば、大量に出血しているところだった。
「危なかったね」
「くっ!」
始めてからどれくらい時間が経ったのかしらないけど、呼吸が乱れて、視界がわずかにぼやけている。
「何を考えているの?」
はっとして顔を上げると、ケヴィンは無表情になっていた。
「わからない?」
「質問しているのは俺だよ」
「私は戦う前もどうしてケヴィンがこんなことをするのかなって、ずっと考えていた」
どうしても理解ができない。彼の知らない部分を知っても、私にはどうすることもできない。
「勝ち目なんてゼロに近い。だけど諦めたくない」
「フローラが勝ったらちゃんと理由を教えてあげる」
「本当に?」
「もちろん」
「でもね・・・・・・」
すっと息を吸い込んで、まっすぐケヴィンを見た。
「教えてもらっても、許さないから!」
強い風の魔法をケヴィンにぶつけた。少しよろめいて体勢をすぐに立て直そうとしたときに一気に距離を縮めた。
戸惑いを捨て、剣を振りかざした。
だけど目の前にいるケヴィンは血を流していなかった。凝視していると、彼は灰のように消えた。
「まさか・・・・・・」
「残念だったね」
背後でケヴィンの声がして、振り向いたときに強い痛みが走った。
「うっ!」
「あれはただの幻」
足元が崩れ、膝立ちの状態のまま、腹部を押さえていた。
「もう終わりのようだね」
「ケヴィン、私は・・・・・・」
声が思うように出せない。
「私はこんなことをしてほしくなかった!今までずっと私のことを助けてくれたのに、信じていたのに、私はこんなに!」
ケヴィンが大好きなのに!
もっと言いたいことはたくさんある。山のようにあるけど、今はそれどころではない。
この怒りを剣に込めて、ケヴィンに向かった。交差する音が鳴った。
「あ!」
私の剣は折れてしまったため、もう使うことができなくなった。
首には私を追いつめるようにケヴィンが剣を触れるか触れないかという程度に持ってきている。
「フローラ、君の負けだよ」
ケヴィンが小声で呪文を唱えた後、私は全身の力が抜け落ちて涙を流しながら目を閉じた。