涙のあとの笑顔
「ステラ、どうやって見つけたの?」
本物は昨日までケヴィンが持っていたのに!
「ケヴィンさんが今朝に届けてくれたの。どこで見つけたのか知りたかったけど、仕事だからってすぐに行っちゃったよ」
本当に何を考えているの?これを利用して何かするつもりじゃなかったってこと!?
帰ったら絶対に話を聞かなきゃ!
ちょっと怖いな。本当のことを言うかもしれないし、嘘を吐くかもしれない。
「じゃあ、そろそろ戻るね」
「うん!学園祭に絶対に来てね!お姉ちゃん、手伝ってくれて本当にありがとう!」
もう一度、鍵を見せてから走って行った。
何が何だかわからなかった。
その夜、イーディにばれないように私はケヴィンを呼び出して話をすることにした。
「どういうこと?」
「いきなりどういうことって言われても・・・・・・」
「だからなんで鍵をステラが持っているの?」
「いらないから返したんだよ」
「だってあれを使って何かをするつもりだったんだよね!?」
「違うよ」
ケヴィンはあっさりと否定をした。
「俺は最初から鍵なんてどうでもよかった」
「じゃあ、どうして?」
「今まで見たことがない表情を見たかった。笑顔も泣き顔も寝顔もたくさん見てきたけど、まだ知らない表情があることに気づいたんだ」
ケヴィンが知らない私の表情?
「だからフローラにとって、大切なものを傷つければ新たな一面が見れると思ったんだ。予想以上のものを見れて満足だよ」
「そのためにこんなことをしたって言うの?」
「そうだよ。満足したからちゃんと鍵も渡した」
許されることじゃない、絶対に!
「もうあんなことをしないから安心していいよ」
いつも見せる笑顔だった。私は何を言ったらいいのかわからなかった。
その夜、私はどうしても眠ることができなかった。
いつまでもここにいることができない。そもそも私のせいでステラをこんな目にあわせたんだから。
私さえいなければこんなことにはならなかったのかもしれない。
誰にも見られないように城の外に出た。
「これからどうしよう」
目的もなく、重い体を引きずって行った。
ブルック村という村にいる。ここは他の村より大きな村で道具屋や食堂、ホテルなどがある。
緑に囲まれていて綺麗。ここの風を感じていると、二十代後半と見られる知らない男性に声をかけられた。
「この辺の子じゃないな」
「は、はい!」
「驚かせてしまったか?」
「だ、大丈夫です」
そう言えばまだ何も口にしていない。そう思っていると、お腹が小さく鳴った。慌てて押さえるが、もう遅く、男性は笑っていた。
本物は昨日までケヴィンが持っていたのに!
「ケヴィンさんが今朝に届けてくれたの。どこで見つけたのか知りたかったけど、仕事だからってすぐに行っちゃったよ」
本当に何を考えているの?これを利用して何かするつもりじゃなかったってこと!?
帰ったら絶対に話を聞かなきゃ!
ちょっと怖いな。本当のことを言うかもしれないし、嘘を吐くかもしれない。
「じゃあ、そろそろ戻るね」
「うん!学園祭に絶対に来てね!お姉ちゃん、手伝ってくれて本当にありがとう!」
もう一度、鍵を見せてから走って行った。
何が何だかわからなかった。
その夜、イーディにばれないように私はケヴィンを呼び出して話をすることにした。
「どういうこと?」
「いきなりどういうことって言われても・・・・・・」
「だからなんで鍵をステラが持っているの?」
「いらないから返したんだよ」
「だってあれを使って何かをするつもりだったんだよね!?」
「違うよ」
ケヴィンはあっさりと否定をした。
「俺は最初から鍵なんてどうでもよかった」
「じゃあ、どうして?」
「今まで見たことがない表情を見たかった。笑顔も泣き顔も寝顔もたくさん見てきたけど、まだ知らない表情があることに気づいたんだ」
ケヴィンが知らない私の表情?
「だからフローラにとって、大切なものを傷つければ新たな一面が見れると思ったんだ。予想以上のものを見れて満足だよ」
「そのためにこんなことをしたって言うの?」
「そうだよ。満足したからちゃんと鍵も渡した」
許されることじゃない、絶対に!
「もうあんなことをしないから安心していいよ」
いつも見せる笑顔だった。私は何を言ったらいいのかわからなかった。
その夜、私はどうしても眠ることができなかった。
いつまでもここにいることができない。そもそも私のせいでステラをこんな目にあわせたんだから。
私さえいなければこんなことにはならなかったのかもしれない。
誰にも見られないように城の外に出た。
「これからどうしよう」
目的もなく、重い体を引きずって行った。
ブルック村という村にいる。ここは他の村より大きな村で道具屋や食堂、ホテルなどがある。
緑に囲まれていて綺麗。ここの風を感じていると、二十代後半と見られる知らない男性に声をかけられた。
「この辺の子じゃないな」
「は、はい!」
「驚かせてしまったか?」
「だ、大丈夫です」
そう言えばまだ何も口にしていない。そう思っていると、お腹が小さく鳴った。慌てて押さえるが、もう遅く、男性は笑っていた。