涙のあとの笑顔
「それは・・・・・・」
ケヴィンは新しい武器に目を向け、視線をアンディさんに戻した。
「買ったの?」
「困っていたからな」
「ふーん、俺のときはあんなに拒絶しておいて・・・・・・」
私はアンディさんの背中に隠れた。
「焦っている」
アンディさんは笑っているが、私はそれどころではない。
「黙って。フローラ、帰ろう」
私の手を取ろうとするが、両手を後ろに隠した。
「前から思っていたが、こいつに何かしたのか?」
「何で?」
「お前に対する態度がよそよそしくなった」
アンディさん、わかっていたんだ。前とは明らかに態度が違うもんね。
「人にそれほど興味がないのに、この子にはあるの?わかったような言い方をしないでくれる?」
「ケヴィンがそんな風に攻撃的だからフローラが怯えるんだ。そこを通せ、いつまで突っ立っている気だ?」
「フローラが来てくれれば通すよ。どうする?」
ケヴィンは一歩も引かない。迷った末に私はケヴィンのそばまで行った。
「それでいい。じゃあね」
「あの、アンディさん!今日はありがとうございました」
「あぁ。ケヴィン、フローラにひどいことをするなよ」
「本当に耳障り」
ケヴィンはまるで忌々しいものを見るように悪態をついた。
部屋に戻るまでは何も喋らなかった。私もケヴィンも。
乱暴にドアを開け、そのままドアに押し付けられ、荒っぽくキスをされた。鋭い目つきで睨まれ、涙腺が緩みそうになった。
「けほっ」
長いキスからようやく解放され、咳き込むと、私をベッドに寝かせて、手首から吸いついた。小さな印はいたるところにつけられ、されるがままになっていった。
「息が荒い。気持ちいい?」
否定すると、首筋を口づけられた。
「ねえ、今日はあいつと何をしていたの?武器を買っただけ?違うよね?教えてよ」
私が逃げられないように手首をしっかりと握っている。
「何って、街をぶらついたり、食事をしていた」
「俺がこんなに好きって言っているのに、こんな俺を見たくて出かけたの?」
「あっ!」
またキスをしてきた。
「どうなの?」
「そうじゃない。お願い、やめて!」
こんなこと、耐えられない。
「やめない、まだ話を終わってない」
誰か助けて、ここにいたくない!
ケヴィンのお腹に蹴りを入れ、するりと抜け出した。小さな呻き声をあげているケヴィンを無視して、ドアへ向かった。
城の中だとすぐにばれるので、外へ出て、とにかく走った。さっきまで天気がよかったのに、今は激しく雨が降っている。服が水を吸って重くなっていく。城はもう見えなかった。
「寒い」
壁にもたれて、ずるずると座りこんだ。その状態でいると、次第に眠気が襲ってきた。視界がはっきりとしないまま、見えたのはケヴィンだった。幻だろうと思いながら、私はその場に倒れた。
ケヴィンは新しい武器に目を向け、視線をアンディさんに戻した。
「買ったの?」
「困っていたからな」
「ふーん、俺のときはあんなに拒絶しておいて・・・・・・」
私はアンディさんの背中に隠れた。
「焦っている」
アンディさんは笑っているが、私はそれどころではない。
「黙って。フローラ、帰ろう」
私の手を取ろうとするが、両手を後ろに隠した。
「前から思っていたが、こいつに何かしたのか?」
「何で?」
「お前に対する態度がよそよそしくなった」
アンディさん、わかっていたんだ。前とは明らかに態度が違うもんね。
「人にそれほど興味がないのに、この子にはあるの?わかったような言い方をしないでくれる?」
「ケヴィンがそんな風に攻撃的だからフローラが怯えるんだ。そこを通せ、いつまで突っ立っている気だ?」
「フローラが来てくれれば通すよ。どうする?」
ケヴィンは一歩も引かない。迷った末に私はケヴィンのそばまで行った。
「それでいい。じゃあね」
「あの、アンディさん!今日はありがとうございました」
「あぁ。ケヴィン、フローラにひどいことをするなよ」
「本当に耳障り」
ケヴィンはまるで忌々しいものを見るように悪態をついた。
部屋に戻るまでは何も喋らなかった。私もケヴィンも。
乱暴にドアを開け、そのままドアに押し付けられ、荒っぽくキスをされた。鋭い目つきで睨まれ、涙腺が緩みそうになった。
「けほっ」
長いキスからようやく解放され、咳き込むと、私をベッドに寝かせて、手首から吸いついた。小さな印はいたるところにつけられ、されるがままになっていった。
「息が荒い。気持ちいい?」
否定すると、首筋を口づけられた。
「ねえ、今日はあいつと何をしていたの?武器を買っただけ?違うよね?教えてよ」
私が逃げられないように手首をしっかりと握っている。
「何って、街をぶらついたり、食事をしていた」
「俺がこんなに好きって言っているのに、こんな俺を見たくて出かけたの?」
「あっ!」
またキスをしてきた。
「どうなの?」
「そうじゃない。お願い、やめて!」
こんなこと、耐えられない。
「やめない、まだ話を終わってない」
誰か助けて、ここにいたくない!
ケヴィンのお腹に蹴りを入れ、するりと抜け出した。小さな呻き声をあげているケヴィンを無視して、ドアへ向かった。
城の中だとすぐにばれるので、外へ出て、とにかく走った。さっきまで天気がよかったのに、今は激しく雨が降っている。服が水を吸って重くなっていく。城はもう見えなかった。
「寒い」
壁にもたれて、ずるずると座りこんだ。その状態でいると、次第に眠気が襲ってきた。視界がはっきりとしないまま、見えたのはケヴィンだった。幻だろうと思いながら、私はその場に倒れた。