涙のあとの笑顔
秘密と過去
動けない、重いものを乗せられているような感覚。まだ部屋の中が暗い。寝返りを打つと、何かにぶつかった。手を彷徨わせると滑らかなものに触れた。下へ移動させると手を掴まれたので、その痛みに起きた。
「おはよう」
「誰ですか?」
「こらっ、何寝ぼけているの?ケヴィンだよ」
「そうなの・・・・・・。ケヴィン!?夢!?」
「夢じゃないよ、俺はここにいるでしょ?触ってみて」
私の両手をケヴィンの手で包みこむように、頬に触れさせた。
うん、夢じゃない。現実。
「おはよう」
昨日何をされたのか、徐々に記憶が蘇ってきた。
「ケヴィン、昨日」
「フローラ、何か食べたくない?」
会話を遮った。ちょっと、話の途中だよ!
「今は何も入らない。あのね、話を」
「じゃあもう一回寝ようか?はい、横になって」
もう、わざとやっているでしょ!
無理矢理横にされた挙句、背中をポンポンと叩かれた。
あれ?着ていた服が違う。どういうこと?
なぜか寝巻きに変わっている。いつお風呂に入った?
どんなに記憶をたどっても、答えは見つからない。
「私、服を着替えた覚えがない」
誰がやったのか聞きたくない。私が自分で着替えたことを忘れているだけだと思いたい。
「俺が着替えさせた。だって濡れていたから」
そりゃあ、雨の中にいたからね。
放っておく訳にはいかないでしょ?
「ちょっと待って!それって一緒に・・・・・・」
先の言葉が唇が震えているせいで出せない。
「一緒にお風呂に入ったよ?だってあのままだと風邪を引いちゃうからね」
「本当に?」
「うん。途中で目を開けたからドキッとしたけど、すぐに閉じたよ。本当に眠っていたんだね」
「じゃあ、やっぱり見たんだ!」
あれを見られたんだ。この人に、あんなものを。
部屋の暗さがさらに濃くなったように見えた。
「フローラ」
私の肩に触れようとした手を振り払った。
「触らないで!」
ケヴィンに背を向け、自分を抱きしめた。
顔を見るのが怖い。とてもじゃないけれど見る勇気なんてなかった。
「怒っているの?」
「もちろんよ!」
「フローラ、俺を見なくていいから抱きしめさせて。大好きなんだ」
「そんなの嘘」
「嘘なんかじゃない」
「嘘よ!こんなものを見たくせによくそんなことが言えるね!」
鏡を見る度に自分の醜い姿を思い知らされた。嫌なことばかり思い出してしまう。
「おはよう」
「誰ですか?」
「こらっ、何寝ぼけているの?ケヴィンだよ」
「そうなの・・・・・・。ケヴィン!?夢!?」
「夢じゃないよ、俺はここにいるでしょ?触ってみて」
私の両手をケヴィンの手で包みこむように、頬に触れさせた。
うん、夢じゃない。現実。
「おはよう」
昨日何をされたのか、徐々に記憶が蘇ってきた。
「ケヴィン、昨日」
「フローラ、何か食べたくない?」
会話を遮った。ちょっと、話の途中だよ!
「今は何も入らない。あのね、話を」
「じゃあもう一回寝ようか?はい、横になって」
もう、わざとやっているでしょ!
無理矢理横にされた挙句、背中をポンポンと叩かれた。
あれ?着ていた服が違う。どういうこと?
なぜか寝巻きに変わっている。いつお風呂に入った?
どんなに記憶をたどっても、答えは見つからない。
「私、服を着替えた覚えがない」
誰がやったのか聞きたくない。私が自分で着替えたことを忘れているだけだと思いたい。
「俺が着替えさせた。だって濡れていたから」
そりゃあ、雨の中にいたからね。
放っておく訳にはいかないでしょ?
「ちょっと待って!それって一緒に・・・・・・」
先の言葉が唇が震えているせいで出せない。
「一緒にお風呂に入ったよ?だってあのままだと風邪を引いちゃうからね」
「本当に?」
「うん。途中で目を開けたからドキッとしたけど、すぐに閉じたよ。本当に眠っていたんだね」
「じゃあ、やっぱり見たんだ!」
あれを見られたんだ。この人に、あんなものを。
部屋の暗さがさらに濃くなったように見えた。
「フローラ」
私の肩に触れようとした手を振り払った。
「触らないで!」
ケヴィンに背を向け、自分を抱きしめた。
顔を見るのが怖い。とてもじゃないけれど見る勇気なんてなかった。
「怒っているの?」
「もちろんよ!」
「フローラ、俺を見なくていいから抱きしめさせて。大好きなんだ」
「そんなの嘘」
「嘘なんかじゃない」
「嘘よ!こんなものを見たくせによくそんなことが言えるね!」
鏡を見る度に自分の醜い姿を思い知らされた。嫌なことばかり思い出してしまう。