涙のあとの笑顔
「うん、いいよ」
「花は好き?」
「花?うん。好きだよ。可愛いし、綺麗だしね」
「良かった。ここの庭園にね、薔薇がたくさん咲いているんだ。近いうちに連れて行ってあげる」
「本当?楽しみ!」
薔薇園なんて滅多に見られないから貴重だよ。
「会ったときから気になっていたのだけれど、武器を使えるんだね?ひょっとして魔法も?」
「うん。まだまだだけど、両方使うことができるよ」
両方使うことが出来るようになるのは難しい。
「魔法って、どんな魔法ができるの?」
「黒魔法と白魔法だよ」
「俺は白魔法は無理だな・・・・・・」
それは知らなかったことだ。
「そうなんだ」
「もし、怪我をしたら、真っ先にフローラに治してもらおう」
「いいよ。ちゃんとやるから」
「ありがとう。頼りにしているからね」
腕の中に包み込まれて、ドキドキしていると、彼から優しい香りがした。
香水をつけているのかな?
「どうかした?」
「香水?」
「香水はつけていないよ」
こんなにいい香りなのに。だとしたら何なの?
「風呂もまだだし、何かな?」
「風呂ね。そういえば、昨日はご飯を食べて、少し話をしてから眠っちゃっていたね」
そうだよ、風呂にまだ入っていない。入りたいけど、まだケヴィンがいるし、あとにするべきだよね。
「入っておいで。俺は出るから」
良かった、それならすぐに入ることができる。
実はここのお風呂にはいることを密かに楽しみにしていた。
「じゃあ、またね」
「うん。それじゃ」
見送ってから、風呂にのんびりと浸かることにした。
中にはシャンプー、リンス、ボディソープが置いてあった。どれも綺麗な容器で高級感がある。
パサつきを押さえて、艶を出し、髪をサラサラにする効果がある。
あったかくて気持ちいい。
髪や体を洗い、タオルで拭きながら、ベッドへ戻った。
「おかえり、気持ち良かった?」
さっき出ていったはずのケヴィンがいたので、思わず悲鳴を上げた。
「それじゃあ、不審者みたいじゃない」
失礼だなとぶつぶつと言っているが、こっちはそれどころではない。
「こ、こ、こ!」
なんでここにいるの!?
思わず壁に張りついた。
「ちょうど戻ってきたんだ。ほら、髪を乾かしてあげるからおいで」
ちょいちょいと手招きをするが、足が動かない。
「怖がらなくても何もしないよ」
重い足を動かして、ようやく彼のところへ辿り着いた。
座るように促されて座ると、優しく髪を拭いた。
「いいね。シャンプーの香りがしていい。それに濡れていて色っぽい」
後ろから囁かれているので、ぞくぞくする。顔を見られていないので、安心していた。
「あれ?顔が赤いよ?」
その一言にぎょっとした。後ろから覗きこまれていたので、急いで目をそらした。
「さ、さっき、お風呂に入ったから!」
「本当?」
「本当!」
どこか笑いを堪えるような顔をして私を見ていた。
「まぁいいか。そういうことにしてあげる」
私の反応を見て面白がっているから、性質が悪い人だと思った。
「さて、乾いたよ」
あれこれ考えている間に髪はとっくに乾かしてくれていた。
「綺麗な色をしているね」
私の茶色の髪を触りながら言った。
「ケヴィンも綺麗な髪だよ」
彼の髪はさらさらとしている。
「そう?ありがと」
ちょっと眠たくなってきた。まだ時間は遅くないのに。
「眠い?」
目を閉じかけたが、何とか耐えた。
「少し・・・・・・」
どうしよう、本当に眠いよ。
「もう、おやすみ。また明日もここに来るから」
「うん、待っている」
ベッドに横になり、静かに意識を放した。
「花は好き?」
「花?うん。好きだよ。可愛いし、綺麗だしね」
「良かった。ここの庭園にね、薔薇がたくさん咲いているんだ。近いうちに連れて行ってあげる」
「本当?楽しみ!」
薔薇園なんて滅多に見られないから貴重だよ。
「会ったときから気になっていたのだけれど、武器を使えるんだね?ひょっとして魔法も?」
「うん。まだまだだけど、両方使うことができるよ」
両方使うことが出来るようになるのは難しい。
「魔法って、どんな魔法ができるの?」
「黒魔法と白魔法だよ」
「俺は白魔法は無理だな・・・・・・」
それは知らなかったことだ。
「そうなんだ」
「もし、怪我をしたら、真っ先にフローラに治してもらおう」
「いいよ。ちゃんとやるから」
「ありがとう。頼りにしているからね」
腕の中に包み込まれて、ドキドキしていると、彼から優しい香りがした。
香水をつけているのかな?
「どうかした?」
「香水?」
「香水はつけていないよ」
こんなにいい香りなのに。だとしたら何なの?
「風呂もまだだし、何かな?」
「風呂ね。そういえば、昨日はご飯を食べて、少し話をしてから眠っちゃっていたね」
そうだよ、風呂にまだ入っていない。入りたいけど、まだケヴィンがいるし、あとにするべきだよね。
「入っておいで。俺は出るから」
良かった、それならすぐに入ることができる。
実はここのお風呂にはいることを密かに楽しみにしていた。
「じゃあ、またね」
「うん。それじゃ」
見送ってから、風呂にのんびりと浸かることにした。
中にはシャンプー、リンス、ボディソープが置いてあった。どれも綺麗な容器で高級感がある。
パサつきを押さえて、艶を出し、髪をサラサラにする効果がある。
あったかくて気持ちいい。
髪や体を洗い、タオルで拭きながら、ベッドへ戻った。
「おかえり、気持ち良かった?」
さっき出ていったはずのケヴィンがいたので、思わず悲鳴を上げた。
「それじゃあ、不審者みたいじゃない」
失礼だなとぶつぶつと言っているが、こっちはそれどころではない。
「こ、こ、こ!」
なんでここにいるの!?
思わず壁に張りついた。
「ちょうど戻ってきたんだ。ほら、髪を乾かしてあげるからおいで」
ちょいちょいと手招きをするが、足が動かない。
「怖がらなくても何もしないよ」
重い足を動かして、ようやく彼のところへ辿り着いた。
座るように促されて座ると、優しく髪を拭いた。
「いいね。シャンプーの香りがしていい。それに濡れていて色っぽい」
後ろから囁かれているので、ぞくぞくする。顔を見られていないので、安心していた。
「あれ?顔が赤いよ?」
その一言にぎょっとした。後ろから覗きこまれていたので、急いで目をそらした。
「さ、さっき、お風呂に入ったから!」
「本当?」
「本当!」
どこか笑いを堪えるような顔をして私を見ていた。
「まぁいいか。そういうことにしてあげる」
私の反応を見て面白がっているから、性質が悪い人だと思った。
「さて、乾いたよ」
あれこれ考えている間に髪はとっくに乾かしてくれていた。
「綺麗な色をしているね」
私の茶色の髪を触りながら言った。
「ケヴィンも綺麗な髪だよ」
彼の髪はさらさらとしている。
「そう?ありがと」
ちょっと眠たくなってきた。まだ時間は遅くないのに。
「眠い?」
目を閉じかけたが、何とか耐えた。
「少し・・・・・・」
どうしよう、本当に眠いよ。
「もう、おやすみ。また明日もここに来るから」
「うん、待っている」
ベッドに横になり、静かに意識を放した。