何よりも甘く切なく
いきなり私が意味不明な事を言ったからか、爽やか君の顔が笑顔から不思議そうな顔に変わった。


「空?先輩、空がどうかしたんですか?」


そう言うと爽やか君は、透き通る様な青空に視線を移す。


「あっ、イヤイヤ!違うの!!」


私が急いで両手を胸の前で振ると、爽やか君は更に首を傾げた。


「なんか……爽やか君の笑顔って、“空”って感じがするんだよね」


「へっ?オレの笑顔が?」


「うん。爽やかで、穏やかで―――まるで空みたい。見てるだけで癒されるのっ!」


私も笑って伝えると、爽やか君は微かに頬を赤らめた。
< 137 / 437 >

この作品をシェア

pagetop