何よりも甘く切なく
数秒間赤いままだった泉未が、ハッとした様に私の手を握り…………


「キャーーー!!」


「チクショー泉未、オレと代われーーーっ!」


「ウルセ!!誰が代わるかっ」


ざわつく友達を一喝して、生徒玄関に向かって歩き出した。


歩くスピードは丁度良く、泉未の左手と繋がる右手はポカポカして安心する。


だけど…気になる事が1つ。


「リエイ君……泉未か私に何か用?」


2-Cの前から、ずっとリエイ君がついて来るんだ。


「リエイお前、何にも用事無いならどっか行けよ!」


ずっとリエイ君を無視していた泉未が怒った。
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