何よりも甘く切なく
須藤先輩が笑顔で言った質問に、せっかく歩き出した足がホントに一歩で止まった。


甘木先輩は顔をしかめて、15cm位背の高い須藤先輩を見上げている。


オレ達3人以外は誰もいない空間は静寂に包まれ、反対にオレの心臓はドクドクと脈打っていた。




「そりゃあ……強い人は好きだけど…………」




――――甘木先輩が呟く様に言った答えに、思考回路が止まった気がした。


そっか……


やっぱり女の子は、強い男の方が好きなんだ………


オレは空手や柔道の有段者なんかじゃ無いし、運動神経がズバ抜けているワケでも無い。
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