何よりも甘く切なく
別にサッカー部だし、体育は4だし、丸っきり運動出来ない事は無いけど……もしまた前みたいな事になったら?


オレは甘木先輩を守れるのか?


守れなくって………また他人に助けて貰う様な事になったら……オレは―――――…


「イテェ……」


チクチクと痛む胸に手を置いて、天井を見上げる。


そうしてそのまま、甘木先輩に声をかける事も無く、その場から離れた。


「姫を守るのは、王子様か……」


オレは王子様なんかじゃない。


お伽噺に出てくるどっかの国の王子みたいに、大切な姫君を守れたら………どんだけ嬉しいんだろうか。
< 313 / 437 >

この作品をシェア

pagetop