何よりも甘く切なく
「―――あっ、泉未!遅かったね?授業長引いたの?」


十分後……空き教室の扉を開けると、甘木先輩がパタパタと駆け寄って来た。


空き教室の机の1つに、甘木先輩のお弁当箱が置かれている。


そしてその机を挟む様にして、イスが2つ置かれていた。


オレの席と、甘木先輩の席。


2人で1つの机にご飯乗っけて、一緒に食べる弁当は……とってもウマかったのに。


「泉未?なんで突っ立ってるの?早くお弁当食べようよ」


何も知らない甘木先輩は、軽くオレの手を引いて、空き教室の中に導いた。


「――――…甘木先輩……」
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