何よりも甘く切なく
オレが言った事がイマイチ理解出来なかったのか、甘木先輩は若干笑顔でパニクっている。


「すみません」と言って頭を下げると、甘木先輩が小さく息を呑んだのが分かった。


「ど、どうして……?どうしていきなり、“距離を置こう”なんて……」


完全にパニックに陥っている先輩と目が合うと、ズキ…ンと痛みが走った。


甘木先輩が混乱するのも、ムリも無い。


だって甘木先輩は、何にも悪い事なんてしてないんだから。


本来なら3日前のオレの情けない姿に失望して、先輩がオレにこう言う立場かもしれないのに――――…オレは、最低だ。
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