何よりも甘く切なく
自分が傷つきたくないからって、自分から逃げ出すなんて。


烏丸先輩や仁志荻先輩が知ったら確実に殴られるな、と、頭の隅で考えていた。


「すみません先輩。オレ3日前から、ずっと思ってたんです。オレは甘木先輩に、きちんと相応しいのかなって」


「相応しいって………なんでそんな事……」


「3日前、オレ先輩の事守りたかったのに…助けてあげられなかった。恐怖心どうにか誤魔化して、言い返すのがやっとだった」


話していく内に、あの日の事が鮮明に頭の中に蘇っていった。


どうにか言葉では応戦してたけど、内心じゃあ怖かったんだ。
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