何よりも甘く切なく
ダークブラウンの髪の男の子は、キレイに手入れがされた庭に私を降ろす。


「クツ下とクツ脱いで」


「う、うん……」


私は言われた通り、右足のクツ下とクツを脱いだ。


幸い左足はぶつけなかったので、無傷。


「ちょっと冷たいかもしれないけど、我慢してね」


男の子が庭の水道から水を出して右足のケガの部分にかけると、体中にブルリと震えが広がった。


真夏ならまだしも、もう9月だもんなぁ……でも真冬よりは全然マシだよね。


「よし、血流れた。じゃあオレ家の中入って救急箱持って来るから、ちょっと待っててね?」
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