何よりも甘く切なく
開いた窓の縁に腰かけた私に、フワフワのタオルが手渡される。


「ごめんね、足濡れたまま放置しちゃって」


「ううん、大丈夫!」


申し訳なさそうに謝る男の子に笑顔を向けて、タオルで足を拭いた。


次は男の子による消毒で、消毒液が染みたガーゼが傷口を行き来すると、ピリッとした痛みが走る。


だけどスッ転んだ時と比べると、軽い痛みだった。


「大丈夫?痛くない?」


「うん、平気」


この男の子……本当に優しい男の子だな。


初対面の私の事、こんなに気遣ってくれて………きっとクラスでも人気があるんだろうなぁ。
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