何よりも甘く切なく
図々しくも上から目線で考えてると、消毒が完了。


男の子は新しくガーゼを取り出すと、あっという間に手当てを終わらせてしまった。


「フーーー、終わったぁ!」


す、凄い……


まるでお医者さんみたいにテキパキした手当てで、思わず見とれちゃった………


「ケガの手当て……随分上手いんだね?」


私はきちんと手当てされた右足を見ながら、男の子に言った。


「ああ………オレ小学生の弟が2人いるんだ。で、しょっちゅうケガして来るから手当てしてたら、こんなんなっちゃったんだよね」


「へぇ……3人兄弟の長男なんだ」
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