夢を見る
「分かってる。季節の変わり目だしね」


 彼もずっと無理しているようだ。


 あたしも気になっていた。


 あまり過労が続くと、健康に悪いだろうなと思っていたのだから……。


 だけど、雄哉もお昼休みはかなり眠気が差すらしく、昼食後エスプレッソのコーヒーを一杯淹れて飲むらしい。


 気付けの一杯がいいようだ。


 何にも増して。


 海岸線に沿って歩き、ちょうど眺めがいいところまで来て、砂浜に座る。


 そしていろいろと話をしていた。


 履いていたヒールは何とか濡れずに済んだのだが、ストッキングはびしょびしょに濡れてしまう。


 ついさっきまで、水際を歩いていたからだ。


「大丈夫?濡れちゃった?」
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