夢を見る
 ちょうど彼が身支度を整え、リビングへと入ってくる。


 歯を磨いた後で、口の中からはハッカの匂いが漂ってきていた。


 パソコンはスタンバイ状態になっている。


 リモコンでミステリードラマを選び、再生ボタンを押す。


 刑事が犯人を追いかける場面から始まった。


「友里は刑事モノが好きなんだね?」


「ええ。……別にいいでしょ?あたしも個人的にこの手の番組をよく見るんだから」


「俺もミステリーとかハードボイルド好きなんだ。面白いからね。パターン決まってるけど」


「まあ、そうね。ワンパターンだけどね」


 頷き、画面に目を戻して、見続ける。


 慢性的な眼精疲労があり、目は疲れてしまっていた。


 だけど、パソコンやスマホでネットを見るのと、テレビを見るのはまた違う。
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