夢を見る
「ええ。……でも平気よ。ストッキング濡らしちゃったけどね」


「時間あるから、ゆっくりね。俺もちゃんとペットボトル持ってきたし」


 彼がそう言って、持っていたリュックから五百ミリリットルのペットボトルを一つ取り出し、キャップを捻り開けて口を付ける。


 中にはミネラルウオーターが入っているようで、街の水道水特有のカルキ臭はしないようだった。


 あたしも水筒を取り出し、作ってきていたコーヒーを飲む。


 お互い水分補給の時間を送っていた。


 そして摂取し終わった後、雄哉が、


「また明日から仕事だな。営業も慣れたけどね」


 と言う。


「あまり根詰めないでね。それに夜もなるだけ休んで」


「ああ。出来るだけ早めに休むよ」


 彼がそう言い、立ち上がって軽く伸びをする。
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