夢を見る
 だけど、あたしも稀にあるのだ。


 明け方、夢に出てきたようなことが、現実になったりするのが。


 そういった時はなるだけ気持ちを抑え込んでいた。


 スマホを操作しながら、二十分ぐらい出てこないこともある。


 だけど、あまり一つの場所ばかりに留まるわけにはいかないので、また時間になれば出てきて、フロアへと戻った。


「主任、これ今月上旬に会議に掛けられる書類です。目を通しておいてください」


 玉木がそう言って、左肩をクリップで留めてある横書きの書類の束を手渡す。


「分かったわ。お疲れ様」


「お疲れ様です」


 玉木が一礼し、自分のデスクへと舞い戻る。


 部下たちは皆、しっかり仕事をしていた。


 連休明け直後だが、連休気分はもうないらしい。
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