夢を見る
 あたしも水際まで、ゆっくりと歩いた。


 押し寄せる波を掌で掬い取ってみる。


 水はまだ濁っていた。


 これが春から夏に掛けて、澄んだものとなるのだ。


 日長一日ビーチで時間を潰した後、また住んでいる場所へと戻る。


 あたしの日常も、雄哉のそれも実に淡々としているのだった。


 まだ早春で寒さが幾分残っていたのだし、春爛漫までには時間が掛かるのだが……。

 



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