夢を見る
 そして部下たちは特に指示を出さなくとも、ちゃんと仕事をしてくれるのだし、あたしもメールで送られてくる書類や企画書などに目を通す。


 忙しく思えても、実際は退屈だった。


 コーヒーを淹れながら、そんなことを考え続ける。


 雄哉がキッチンにいるあたしに、


「友里、最近どう?」


 と訊いてきたので、


「相変わらずよ。ずっと同じことの繰り返しなんだし」


 と言った。


「でも、案外そんなことの方がいいかもよ。俺もずっとそう思ってるんだ」


「変化がないってことが?」


「ああ。サラリーマンなんか誰でもそうだろ?俺だってそう考えちゃうし」


「それはあなたも日々疲れてるってこと?」
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