夢を見る
 定期的に生理があって、痛みを感じることは当然ある。


 雄哉と普通に性行為しているから、当然妊娠する可能性もあった。


 まあ、危ない日は避妊具を付けているのだが……。


 でも、彼と過ごし続けていて思うのが、妊娠してもいいなということだった。


 胎児を子宮内に抱える感触を、まだ一度も味わったことがない。


 三十代も半ばに差し掛かったのに、だ。


 あたしもそろそろ雄哉といい関係を作りたいと思っていた。


 新しい家族を作るということである。


 あたしの卵巣にはまだ妊娠できるだけの卵が十分残っているのだから、無駄にしたくない。


 コーヒーを一口飲み、トーストを齧っていると、雄哉が、


「友里、何か考え事?」


 と訊いてきた。
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