夢を見る
 玉木がそう言って、あたしの葛藤を見抜く。


 さすがにこの男性には敵わないなと思った。


「まあ、いろいろとね」


「いろいろと……とは?」


「あなたも管理職になったら分かるわよ。あたしの重責なり、板挟みの痛さなりが」


「そんなにきついんですか?」


「うん」


 即答してしまう。


 あたしも婉曲にモノを言うことが出来なかった。


 ストレートに言葉を放つ癖が、どこかしらで身に付いている。


 だけど、それが決して悪いというわけじゃない。


 あたしのオフィスのパソコンには、常にメールが送られてくるのだし、必要なものにはちゃんと目を通すのだった。
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