夢を見る
 いつもそうだ。


 特に今日のように週が終わる金曜など、一番何かがありそうな予感がしていた。


 だけど、タブレット端末にメールが届くか、スマホに連絡が入らなければ、別に何もないということだ。


 あたしも静かなムードミュージックが掛かった店内でウエイターに頼み、届けてもらったコーヒーを飲んでいた。


 メールも電話も来ない。


 やっと心が落ち着いた。


 ずっとタブレット端末でいろいろ見ながら、情報収集する。


 別に何も言ってこないところを見るに、社は上手く回っているのだろう。


 あたしも一つのフロアの管理を任されているのだが、その日は特に心配事がなかった。


 午後四時前にカフェを出、社へと戻る。


「主任、どちらに行ってらっしゃったんですか?」


 玉木が声を掛けてくる。
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